万博開催前の大阪IR全面開業が困難に 一部開業も検討

11月9日、大阪府市は万博が開催される2025年を開業時期として、近々定める実施方針に明記する方針を固めたことが分かりました。

2025年に決定した大阪万博の開催に合わせ、遅れ気味な政府の法整備に先駆けてスケジュールを進めるなど、万博開催前のIR実現を目指してきた大阪府市。
しかし資材や人員の都合、工期の短さから大阪万博前の全面開業は困難であると判断し、2025年の万博開催前のIR全面開業を努力目標とし、一部開業も視野に入れる考えを明らかにしました。

松井一郎・大阪市長は「(IRの)全面開業は断念していないが、万博の工事との関係でスケジュール進行が難航することが予想される」と述べ、IR建設に関するスケジュールの調整を課題とし、今後は正式に決定した事業者との対話によってベストなスケジュール調整をしていきたい考えを示しました。

IR候補地の有力候補でもあり開業に向けていち早く動きたい大阪府市は、年内に実施方針の策定を行い、事業者の公募も行う方針です。

しかし、これについては大阪への参入に前向きな事業者からも、工期に着手する時間が短いことに対して懸念されています。

工期の短さがネック 事業者も部分開業を示唆

大阪RFPへの参加を表明しているIR事業者3社のうちの1社である「ギャラクシー・エンターテインメント」は、先月開催された記者会見の中でも、全面開業の厳しさについて言及していました。

日本開発責任者のテッド・チャン氏は「我々は高品質な施設を提供したいと考えており、そのためには2025年までにIRの全面開業を実現することは難しい。」と、部分開業を示唆。
さらに、部分開業となる場合にどの施設を優先するかについては、「行政の要求から考えると、大規模な展示会や国際会議ができる『MICE』施設が1番で次がホテルだろう」とコメントしています。

事業者側からも全面開業に関する懸念が指摘されている現状。もし大阪がIR候補地として正式に認定された場合でも、大阪にカジノができるのは少なくとも万博開催後のことになるという可能性も考えられます。

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