長崎県と横浜市は、当初のIR区域整備計画の申請期間で準備が整うとし、国へのスケジュール変更を要求しないことを発表しました。

長崎県と横浜市、IR区域整備期間に関して政府への対応は

国は現在、IR区域整備計画の申請における受付期間を2021年1月4日~7月30日と定めています。(2020年7月9日現在)
しかしIR汚職事件や新型コロナウイルスの流行により、IRに関する基本方針の策定が延期されているのが現状です。

国全体の計画進行が遅れを取っているなか、IR誘致の候補地は区域認定数である3か所への入選のため、誘致に至るまでの諸手続きを急いでいます。
締め切りまでのタイトなスケジュール感がIR候補地各所(大阪府・市、横浜市、長崎県、東京都)で顕著なため、政府が申請の受付期間を延期するか否かに注目が集まります。

政府は自治体と確認を取りながら延期の有無を決定すると発表し、これを受けて長崎県と横浜市は以下の対応を取りました。

長崎県の対応

長崎県議会は6月26日、観光振興・交通対策特別委員会で質疑応答を実施。
国土交通省と電話でやり取りしていること、そして基本方針のIR区域整備計画の申請受付期間で準備が整うと回答したことを明らかにしました。

7~8月に公募手続きを開始し、8月末から9月に応募期間を設け書類提出は秋頃、そして12~翌年2月に事業者選定を行う予定です。
IR区域整備計画は2021年6月議会で議決を得て国に申請する運びとしています。

また運営によって県内に及ぼす経済効果は年間2,800~3,800億円、雇用創出効果は2.4万~3.1万人と発表しました。

横浜市の対応

7月3日、定例記者会見にて林文子市長は、国のスケジュールが変わることは望ましくないという見解のうえ、国土交通省に変更を要求しなかったことを明らかにしました。
国が基本方針を策定したのち、実施方針と事業者募集要項(RFP)を予定通りの8月に公表するとしました。

また横浜市会は6月30日、定例会で建築・道路委員会を開催し、パブコメの結果等を反映したうえで「横浜IRの方向性(案)」の説明を同委員会に行いました。
IR事業予算は予定通りの4億円で取り組みを推進、現環境下でも多くの事業者が投資意欲を持していると発表。
新型コロナウイルスのIR経済効果への影響や、感染症を含む不測の事態への対策は、今後IR区域整備計画で明確化するとしています。

長崎県と横浜市は、IR区域整備の申請期間について国への変更を要求しませんでしたが、他候補地が今後どのような対処をしていくかによって、スケジュール変更が生じる可能性も残されています。

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