福岡市のIR誘致促進委員会が、福岡市内へのIR誘致を求める上申書を8月19日、福岡市議会・阿部真之助議長らに提出しました。

昨年から動きを見せていなかった福岡市内でのIR誘致活動ですが、これを機に再始動する可能性があると注目を集めています。

横浜市はIR実施方針を延期、国の状況を注視しつつ今後の判断

横浜市を含め、候補地の自治体は「国の基本方針」と「IR区域整備計画の認定申請期間」が決定するのは7月26日と考えていましたが、8月27日現在もなお公表されていません。
横浜市は国の状況を注視しながらIR実施方針を公表しますが、林市長は「開業時期は2年ほどの遅れをとる感じ」と述べています。

これについて8月20日、黒石祐治・神奈川県知事は、国の対応が遅れているためやむを得ないと言及しました。
また、県の立場は“基礎自治体や横浜市の意向を尊重してサポートするもの”に変わりないと主張しました。

神奈川県が主体となって作成したギャンブル等依存症対策については、予定通り進めるとしています。

IR誘致の状況が停滞中も市民らの反対活動は続く

一方、横浜市内へのIR誘致に対して反対活動を行っている「カジノの是非を決める横浜市民の会」は8月22日、総決起集会を開き市民800名が参加しました。
決起集会には市内のカジノ誘致に反対する市民団体や労働組合、政党等が参加しています。

この団体が結成されたきっかけは、市民の意思を示す機会である選挙ではカジノ誘致について触れないまま、横浜市内へのカジノ誘致を発表したことにあります。

「ギャンブル依存症を生むカジノがなくても横浜には魅力がたくさんある」「安心で健全な街であり続けるべき」と主張し、9月4日からの住民投票実施にむけて署名活動に全力をあげることを確認しました。

横浜市は公開対象の記録を残さず進行。市民は誘致過程を検証できず

横浜市では、今回のみならず以前より市内へのIR誘致を反対する運動がされています。
その理由のひとつとして、市民が求める“誘致に至る経緯についての説明責任”を果たせていないことが挙げられます。

毎日新聞が今年6月に横浜市へのIR誘致表明に関する記録や議事録等の資料開示を請求したところ、打ち合わせ記録や会議の議事録を作成していないことが判明しました。

実際に開示された文書は、市の財政状況や経済効果の見込みをまとめた資料であり、この資料を使ってどのような議論があったかなど、公開対象の記録に残されていないとしています。

関係者である市職員は、「個人がメモをとった会議内容をもとに現場では口頭で指示を出すことがほとんど」であると述べ、横浜市IR推進室・天下谷秀文室長は「誘致に関する検討は極秘事項として少人数にしかかかわっておらず、口頭で内容を共有できた」と説明しています。

横浜市がとっている体制によって市民らは、誘致の意思決定に関する過程を確認できない事態となっています。

IR誘致には市民の合意が必須となっています。
市民との間に溝が深まるばかりの状況を、今後どのように改善していくか注視されていくでしょう。

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