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横浜市では3月23日に開かれた市会本会議にて、2021年度一般会計当初予算案が可決され、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致推進事業費についても公表されました。
予算案の総額は2兆73億円で、そのうちIR誘致推進事業費は3億6千万円として計上されています。

本会議では予算案をめぐり、IR賛成派・反対派双方の討論が行われました。
賛成討論を行ったのは自民党・無所属の会の大桑正貴氏と公明党・髙橋正治氏。
大桑氏は予算案について「苦しい状況でも未来を見据えた意欲的な内容。IRについてはコロナ収束後の経済回復を見据え、中核となるよう進める必要がある」とコメントしました。

一方で反対討論を行ったのは、立憲・無所属フォーラムの藤崎浩太郎氏、共産党の大貫憲夫氏、無所属の豊田有希氏の3名です。
藤崎氏は「コロナ禍でIR開業のリスクが大きくなったにも関わらず、市民に説明するつもりがないのは問題。十分な情報開示をしたうえで市民の合意を得るべきだ」と強く批判しました。
大貫氏は「コロナの影響でカジノの需要自体が減少していることを無視している。現状、IRによる経済効果が本当に得られるのかどうか疑問だ」と指摘しています。

「IR反対」の動き活発化。横浜市長選に反対派2名が立候補

横浜のIR誘致をめぐっては、林文子市長が2019年にIR誘致の方針を発表して以降、反対派の根強い活動が続いています。

2019年11月に発足したIR反対派の市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」は、2020年12月にIR誘致の是非を問う住民投票条例案を直接請求。
2021年1月に開かれた横浜市会臨時会において住民投票条例案が否決され、市民団体は解散となりました。

横浜IRをめぐる住民投票条例案否決について詳細はこちら

しかし市民団体のメンバーらは、今夏に予定されている横浜市長選に向け、新たな団体「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」を設立。
IR反対派の市長候補を擁立させ、誘致を取りやめにするための活動を行っています。

実際に横浜市長選には、IR反対派の横浜市議会議員・太田正孝氏と、動物保護団体代表理事・藤村晃子氏の2名が無所属で出馬する意向を表明しました。
藤村氏は「横浜にカジノを含むIR施設を建立するという残念な政策が進んでいると聞き、立候補を決意した」と述べ、IR誘致を進める現市政を批判しています。

一方、現職の林市長は次回市長選への出馬有無を明らかにしていません。
IR反対派の動きが依然として活発化している中、林市長や賛成派議員が市長選に向けどのような動きを進めていくかが、横浜IRの鍵を握るでしょう。

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