10月8日、政府は自治体からのIR認定申請時期を延期する意向を発表し、10月9日にそれらを踏まえた新たな基本方針案を公表しました。

新たな基本方針案では、IR区域整備計画の認定申請時期を2021年10月1日から2022年4月28日までと定めており、旧基本方針案にて定められた時期(2021年1月~2021年7月末)から、約9~12か月程度の延期となります。

また、今回の延期の主な原因となった新型コロナウイルスなどの感染症対策に関する規定も追加され、具体的にはIR事業者と自治体の担当者らの接触に関するルールなどが盛り込まれます。

今回新たに提示される基本方針案は、1か月間のパブリックコメント募集を経て、国土交通大臣が基本方針を策定する予定です。

政府はこれまで最終的なIRに関するスケジュールに変更はないという意向を貫きつつも、昨年末に発生したIR汚職事件や、新型コロナウイルスの流行により基本方針の策定を保留にしていました。
世界的なコロナ禍の影響で海外IR事業者の業績・動きが停滞していることや、自治体の対応が遅れがちな点を踏まえ、今回の延期に踏み切ったと考えられます。

現時点でIR誘致を継続している自治体と各地の状況

IR誘致を検討している自治体には、政府による基本方針の策定待ちとなっているところも多く、スケジュールの遅れは各自治体に大きな影響を及ぼしています。

現在もIR誘致を検討している自治体と、各地の状況は以下の通りです。

●横浜市
基本方針策定の延期を受けRFP(事業者公募)開始を保留。今後の動向については基本方針策定待ちで、IRに関する調査は続行中。
●大阪府・大阪市
コロナ対応でRFPを提出期限を延期へ。現時点でのRFP参加はMGMリゾーツのみ。
●和歌山県
RFPの時期は3月末~4月末を予定。今回の申請時期の延期を受け変更となるかは、現時点では不明。
●長崎県
RFP参加予定の事業者の大半の希望により、RFPを延期へ。時期は調整中。
●愛知県
引き続きIR誘致は検討。ただし、コロナの影響や基本方針を踏まえて見極めたいとコメント。

中には2020年代半ばの開業を目指し、急ぎ準備を進めていた自治体もありましたが、今回の申請時期の延期を受け、さらなる延期となることが見込まれます。

新型コロナウイルスは未だ世界的に猛威をふるっており、収束が見えない状態。最終的なスケジュールは今後の状況次第で変化することが予想されます。

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