2020年11月1日、大阪都構想の住民投票が行われ、反対多数により否決されました。

投票率は62.35%、反対69万2996票(50.63%)、賛成67万5829票(49.37%)と、僅差で反対票が上回る結果に終わっています。
2015年5月にも大阪都構想が住民投票で否決されており、今回が2回目の否決となりました。

前回は大阪都構想否決の後、大阪維新の会の支持率が低下し、大阪府・大阪市が推進していたIRに関する取り組みも一時停止されました。
今回に関しては住民投票での結果がIR方針に大きく影響することはなく、今後もIR推進の動きが進んでいくと見られています。

大阪都構想とIR、直接の関連性はなし

大阪都構想が否決となった今回の結果は、IRの進捗には影響を及ぼすことはないと考えられていますが、一部カジノの納付金・入場料の分配方法が変更となる見通しです。

都構想が実現した場合、納付金と入場料は「大阪府と特別区で均等配分」し、「4つの特別区(都構想実現時の淀川区・北区・中央区・天王寺区)は人口割で配分」となる予定でした。
しかし都構想が否決となったため、大阪府・大阪市で折半する形となります。

MGM&オリックス「IR方針は不変。計画検証は21年以降」

現在、大阪府・大阪市の事業者公募選定(RFP)にはMGMリゾーツとオリックスの2者連合のみが参加しています。
10月30日、MGMリゾーツは2020年第3四半期の業績発表を行いました。
新型コロナウイルスの影響によりRFPプロセスが停滞状況にありましたが、今回の業績発表の中で、大阪のIR構想に関する方針継続が確認されています。

MGMリゾーツのウイリアム・ホーンバックルCEOは電話会議にて、日本IRを中長期成長機会として位置づけた上で、「現状は明言できないが、約15億~20億ドルの案件を、2024年~2025年の3年ほどかけて構築していく方向で考えている」と発言。大阪IRは重要な経営成果であると示しました。

さらに11月2日には、MGMリゾーツと共同でRFPに参加しているオリックス株式会社が、2021年3月期第2四半期決算説明会を開催しました。

その際にオリックスCEO・井上亮氏は、大阪IRに関して「IR事業に関する基本方針に変更はない。新型コロナウイルスの影響を加味した上で分析・検証を進めていく」と明言しています。

また、国のIR区域整備計画の認定申請受付が9ヶ月延期されたのに伴い、本格的な計画の検証作業は2021年以降になる見通しであるとの見解を述べました。

計画延期となっているものの、IR区域整備計画の申請・認定・実施協定の締結は、現在の吉村大阪府知事・松井大阪市長の任期中(2024年4月まで)に行われる予定です。

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