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長崎IR 優先交渉権者にカジノオーストリア 基本協定締結に向け協議へ

長崎県は8月10日、IR事業優先交渉権者にカジノオーストリア・インターナショナル(以下カジノオーストリア)を選定したことを公表しました。
RFP(事業者公募)二次審査の結果、次点はオシドリ・コンソーシアムとなっています。

今後は県と優先交渉権者のあいだで基本協定を結び設置運営事業予定者として正式決定したのち、2022年4月28日までの政府への申請に向けて区域整備計画を作成する予定となっています。

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カジノオーストリアは長崎IRで自社最大規模のカジノを展開予定

各候補事業者のプレゼンテーションによる二次審査を最高点で通過したカジノオーストリアは、プロジェクト内容の詳細を発表。
ハイアットホテルグループを含む8軒のホテルを建設するとしており、ホテル内にはカンファレンスセンターやエキビションセンター、複合エンターテイメント施設などを設置する予定です。

また、9,900平米のカジノエリアにはゲーミングテーブル220台とスロットマシン2,200台の設置も計画。
「最高の国際基準のゲーミング体験を提供する」としており、これは同社が運営するカジノの中でも最大規模となります。

長崎県はカジノオーストリアを選定した理由について、これらの施設計画もさることながら、「懸念事項やギャンブル依存症に対する取り組み等の評価が高かった。実現可能性を評価した」とコメントしています。

次点オシドリ・コンソーシアムはRFPの不正疑いに言及、撤退示唆も

一方、僅差で次点となったオシドリ・コンソーシアムは、風に揺れる帆と長崎県の帆船祭りからイメージされたランドマークタワーを提案していました。

しかし、同社は8月6日に「RFPプロセスに倫理的不正の疑いが拭えない場面に遭遇した」として、RFPへの参加を取りやめる声明を発表。
これに対し長崎県は8月7日、「公平かつ公正な手続きで審査を進めていて、いかなる応募グループからも辞退の連絡は受け取っていない」と説明しています。

オシドリ・コンソーシアムは8月16日に、事業者が正式に確定するまで審査への参加は継続することを明らかにしましたが、「開発・運営の不合理な条件の改善と倫理的な選考過程が実行されること」を条件として求めており、県への情報開示請求なども進めているとのことです。

長崎県では6月にも、一次審査に関する公文書を不開示としたことで市民団体が審査請求へ動いていました。
RFPの透明性・公平性が問題となった今、県の今後の対応が日本国内のIR事業への信頼性を左右するといえるのではないでしょうか。

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