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和歌山県がIR区域整備計画案を公表 資金調達計画の不明瞭さに批判も

和歌山県は2月7日、マリーナシティに誘致を進めているIRについて区域整備計画案を正式に公表しました。

同日には県議会のIR対策特別委員会による計画案の審議も行われ、今後は延期となっていた県民向け公聴会(説明会)やパブリックコメントも実施される予定です。

カジノ施設は3エリアで構成、カジノ以外への訪問客に対する配慮も

新たに公開された区域整備計画案では、和歌山IRのテーマを「和歌山の自然資源と世界最先端のテクノロジーの融合」に設定。

「和歌浦にそびえ立つ現代の鳥居」をイメージした、IR区域内の建築物の外観なども発表されています。

開業は2027年の秋を予定しており、IR区域内には6,000人以上を収容できるアリーナと中小会議場を有する国際会議場や宿泊施設、国内外eスポーツ団体の合宿やトレーニングに対応したeスポーツセンターなどが建設される予定です。

また、カジノ施設についても、マスマーケット向けエリア・ハイリミットエリア・VIP向けエリアと顧客単価別に3エリアで構成されることが明らかになりました。

ほかにも外部からカジノ内が見えないデザインを採用、他の施設への往来時にカジノ施設の入場口付近を通過しないような動線設計など、カジノ利用が目的ではない顧客や未成年に配慮した計画も盛り込まれています。

和歌山県が公表した区域整備計画案についてくわしくはこちら

出資企業については今回も明らかにならず、委員会では厳しい意見が相次ぐ

2月7日に行われたIR対策特別委員会にて、和歌山県は初期投資額となる約4,700億円の調達方法について説明。

総額の3割にあたる約1,450億円を、事業者であるクレアベストグループとシーザーズ・エンターテイメントが中核株主として、西松建設などの10社が少数株主として出資するとしました。

残り7割となる約3,250億円は、スイスの大手金融企業であるクレディ・スイスを中心とした金融機関から借り入れるとしています。

和歌山IRをめぐっては2021年11月、事業主体や資金面に関して不透明な点が多いことから、県は昨年内に予定されていた公聴会とパブリックコメントを延期。

特別委員会からは2022年1月末までに区域整備計画案の再提出をし、完全な形で計画を示すよう求められていましたが、今回も少数株主となるほかの企業名や金融機関の内訳などは明かされませんでした。

これに対し議員からは「前回と似た説明で具体性に欠ける、納得できるものではない」「企業名が出せないのはなぜか」と批判の声や厳しい質問が相次ぎましたが、藤山将材委員長は「日程が決まっている中でこれ以上の先送りは本意ではない」として、パブリックコメントの開始を了承。

2月9日~3月10日にかけて県民からの意見を募集するほか、IR公聴会も開催箇所を縮小して3月頃に開かれる予定となっています。

前回の和歌山IR公聴会・パブリックコメント延期の経緯についてはこちら

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