大阪IR推進局「許諾なき著作物を使用していた」旨の調査結果を発表

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大阪府・市は、以前IRのイメージとして公表していたPR動画や静止画の中に、利用許諾が得られていない著作物が含まれていたことを明らかにしました。
府・市は8月29日に記者会見で謝罪し、今後の再発防止を徹底すると述べています。

美術家の奈良氏、村上氏らの作品が無断使用されていたことが明らかに

問題となったPR動画や画像は、IR事業者のMGMリゾーツ・インターナショナルが作成し、大阪府・市に提供していました。
しかし今年4月、美術家の奈良美智氏、村上隆氏らの作品が無断使用されている可能性が高いと発表し、ホームページ等から該当の作品を削除。事実関係を確認するべく、MGM側が調査していました。

調査結果では、奈良氏の「あおもり犬」、村上氏の「お花お花お花」を含む、3点の作品が無断使用されていたことが分かっています。
無断使用されていた別の1点については、作者名などが公表されていません。

MGMリゾーツ日本法人の発表によると、奈良氏の「あおもり犬」については2020年6月に使用許諾の依頼をしていたものの、断りの連絡を受領していたとのことです。
また、村上氏の「お花お花お花」については、使用許諾を依頼した事実がありませんでした。

IR推進局ならびに日本MGMリゾーツの謝罪内容と再発防止策

大阪府・市のIR推進局担当者は、29日の記者会見で調査結果を明らかにしたうえで謝罪しました。

会見では、使用許諾が得られていない3点のほか、許諾期限が切れていた可能性がある著作物も20点含まれていることが発表されています。
合計23点の著作物のうち、9点はすでに許諾を得たものの、権利処理の重要性に対する意識が不十分であったことが問題視されています。

IR推進局の那須雅之副理事は、「このような事態を発生させたことについて、府・市としても重く受け止めている。今後は同様の事案がないよう、対応を徹底し、再発防止に取り組んでいきたい」と話しました。

また、日本MGMリゾーツは「デザインの無断使用はあるまじき行為であり、権利処理の不備・管理不足によってアーティストや大阪府・市、その他、関係者の皆さまに多大なご迷惑をおかけしたことを、重く受け止め深くおわび申し上げます」と謝罪。
再発防止策については、「第三者のアート作品の使用に係るプロセスの強化」や、「定期的に研修を実施し、コンプライアンス意識の向上と教育の徹底を図る」としています。

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